犬がほえる 猫がはしる
冷たい風が悪気もなく素肌を通り過ぎていく
ちょっとぐらい気をつかえよなって思うけど僕も人に同じようなことして暮らしてるんだろう
犬がほえる
ガールレールに繋がれてて自由を奪われている
多分それよりも辛いのは
捨てられるかもしれないという孤独と不安が犬を泣かしているんだろう
みんな不安なんだろうなぁ
時には大声出してみたり
1人で泣いてみたり
そうやって誤魔化してる
実は僕もそうなんだ
夜が怖い
明日が来るって思うと動きが硬直しだす
あぁもういいかげん慣れろよなって思うけどこれが僕なんだろうって諦めたりもしてる
猫が走る
何を探してるかわからないけど塀から塀へと飛び移り駆け回る
もしかしたらだけどそうやって自分の死に場所探してんのかな?
みんな不安なんだろうなぁ
それを悟られないように
人様に迷惑かけないように
うまいことやってるけど
僕は憂いた姿を見せてしまう
みんな不安なんだろうなぁ
日々 時代は移ろい
信じるものも変わり行き
貯金残高を増やすことで安心してる
空虚な安定を信じることで安心してる
実はぼくもそうなんだ
今日も
犬がほえる猫がはしる