The Tree
風に吹かれ聳え立つ一本の木
普段は特に気にすることなく、その影を通り抜けていた
月日は流れ、ふとその偉大さに気付く
決して笑ってくれないが馬鹿にして笑いはしない
喋り出して励ましてくれはしないが、ただただ黙って聞いてくれる
そんなあなたに少し憧れたんだ
子どものときは話さないことをいい事に、蹴ったり枝を折ったりもした
だけど黙って許してくれていたことに
最近気が付いた
日常に愛はある 確かにもう一度感じ出している
決して叱ってはくれないが日陰を与え癒してくれる
話し出して慰めてはくれないが、ただただどこにも行かず寄り添ってくれる
そんなあなたのようになりたいんだ
いつかは枯れ果て、やがて死ぬ
それに怯えず、凛としていたい
そうあなたのように
決して疲れた体を運んではくれないが、雨から身を守ってくれる
話し出して励ましてくれはしないが、ただただどこにも行かず寄り添ってくれる
そんなあなたのようになりたいんだ
そうあなたのように